子どもの好き嫌いをなくすための工夫
「今日のご飯は何にしよう?」と献立を考えたとき、子どもに好き嫌いがあると、毎日のことだけに頭を抱えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?成長期の子どもに、体をつくり体調を整えてくれる栄養を、まんべんなく摂ってほしいと思うのは自然なことです。子どもが味を選ぶ理由や、なるべく好き嫌いをなくしていく工夫などをご紹介します。
なぜ好き嫌いするの?
なぜ子どもはひとさじ口に入れただけでも、嫌いな味への拒否反応が大きいのでしょうか?実は子どもの味覚は大人の2~3倍と言われています。大人が美味しいと感じる“ほろ苦さ”も、子どもにとっては“とても苦い”ものとして感じています。人は身を守るために「苦味=毒」「酸味=腐敗」と感じる本能を持って生まれてきているからです。
逆に「甘味=エネルギー」「塩味=ミネラル」「旨味=たんぱく質」は、生きていくうえで不可欠な味として欲するのです。また、緑色などの寒色系は「未成熟」な色として避ける傾向があります。発達した味覚と生きていくための本能により、はじめて口にするものに対して慎重になるのは当然なのかもしれません。
楽しい雰囲気で食べることが好き嫌いをなくす基礎
好き嫌いをなくすために、小さい頃からいろいろな食材を味わわせてあげることが基本ですが、注意点があります。せっかく調理した離乳食や料理を、ちゃんと食べさせようと厳しくなってしまうと、子どもは食事自体が楽しくなくなってしまいます。そのときの食材が苦手になってしまうかもしれません。それくらい味覚と感情のつながりは深いものです。
まずは大人がおいしそうに食べている姿を見せて安心感を持たせてあげましょう。大人側にも苦手な食材があるかもしれませんが、子どもと一緒に「苦手だったけど、おいしいね」と食べることができたら、経験として子どもの心にも深く残ることでしょう。また、子どもが苦手な食べ物が、実は体質に合ってないこともあります。無理強いしないよう様子を見ていきましょう。
好き嫌いをなくす具体的な調理法のコツとは?
生後半年~1歳半頃は特に、脳の発達とともに味覚を広げやすい時期でもあります。それ以降であっても少しずつ慣らしてあげることで、だんだんと好きになっていく食材も出てくるでしょう。具体的にどんなことをしたらいろいろな食材を食べてくれるのでしょうか?
下ごしらえや火の通しをしっかり
はじめて食べさせる食材は、特にしっかりと下ごしらえをしましょう。どの食材も下ごしらえで使った塩気が食材にまだ残っているようなら、味付けは引き算して控えめにしましょう。
- ほうれん草や小松菜、春菊などは熱湯に塩を入れ、固い茎を先に入れて30秒ほどの時間差であとから葉を茹でます。そのあと冷水に2分ほどさらすと、子どもが感じやすいえぐみが減ります。
- きゅうりは塩もみ、なすは10分ほど水にさらしてあく抜きをします。
- ごぼう、蓮根なども味に慣れないうちは軽く水にさらしましょう。
- 肉や魚などは新鮮なものを選び、湯通しや、塩をふって出てきた水分をキッチンペーパーで拭くなどして生臭さを抑えます。
- ピーマンなどの「苦味」やトマトのような「酸味」がある野菜はしっかりと火を通すと食べやすくなります。
- 玉ねぎなど刺激を感じるものも、じっくりと火を通し、辛味を消して甘さを引き出しましょう。オーブンやグリル調理は、手間いらずで食材の旨さをしっかりと引き出してくれるすぐれもの。熱を逃さないで焼くスキレットなども同様です。ふだん使いとしてぜひ活用してみましょう。
切り方やレシピを変えて食感をよくする
子どもは食感にも敏感なので、野菜などは口の大きさに合わせて繊維を断つように切ります。いくら薄くしても直径が大きいと食べづらいので、サイコロやスティック状を意識しましょう。きゅうりやトマトの種の粒々、どろどろした食感が苦手なようなら、最初は思い切ってスプーンで取ってしまいます。
離乳食後期以降なら、煮物だと苦手になりがちな蓮根や人参、大根などは、すりおろして程よく水分を切り、片栗粉を混ぜて焼くと、大人も子どもも大好きなもちもちした食感に。味付けをアレンジしやすく、手で持って食べる楽しみを味わえたりお弁当にもぴったりです。お手伝いができる時期なら一緒に形をつくってもらうのもおすすめです。
シンプルな調味料や天然だしで食材の味を引き出す
苦手な食材の味をごまかそうとすると味を濃くしがちですが、手軽な“だしパック”などで良いので、天然のだしを使いましょう。スーパーには加工された調味料がたくさん並んでいますが、子どもには塩気が強く、油っぽいものが多いです。基本的に塩・醤油・味噌など、日本に昔からある調味料をつかいましょう。シンプルだからこそ質の良い調味料を選んでつかってみると、少量でも食材のおいしさをぐっと引き出してくれます。
にかほ市の子育て支援
- にかほ市の「地域子育て支援センター事業」 にかほ市内の各支援センターでは、育児中のパパママとお子さんの仲間づくりの場所を提供しています。季節に合わせたイベントを行ったり、育児相談を受け付けています。