ママ保育士に聞く~低年齢児の保育園での水遊び~

水遊びのねらい

乳児期の水遊びのねらいはとにかく“水に慣れて親しむ”こと。水に触れることで子どもはたくさんの刺激を受けます。ただただ水を触っているだけに見えても、子どもからするとたくさん脳への刺激を受けています。水遊びは知育・脳育とも言われているほど、大切な成長への取り組みとして、どこの園でも年間カリキュラムに入れているところが多いです。

五感への刺激

水遊びでは、大人が楽しそうに遊んで触れる様子を見て聞いて、鼻で嗅いだものを手で触って確認する。子どもは触れることによって感触を確かめ、物体表面の質感の違いを感じ、暖かさや冷たさなどを知ります。“水を触る“という動作だけのように見えますが、子どもにとっては感覚刺激の重要な働きをしてくれています。

とにかく楽しむ

乳児期の水遊び、難しいことは置いておいて、とにかく楽しんでもらうことを大切にしています。先生が目の前で楽しそうに触る→なんだろう?→触ってみよう!と興味関心を持ってもらうことからスタートし、先生やお友達と一緒に楽しむ。“この遊び楽しい!” と思ってもらえることを1番の目的としています。

家で水遊びをする時も、パパママが楽しむ様子を子どもに見せてあげてください。大袈裟に声をあげる必要はありません。いつもの素顔のままで、水を見せてあげて「きれいだね、冷たいね」と教えてあげてください。まだ触れなくてもパパママの反応を見て楽しむだけで成長に繋がります。

年齢別の水遊び

0歳児

桶や小さなプールの中に水を溜めて、見て触ります。慣れてきた頃にジョウロやシャワーで目の前で水を流し、上から下に水が流れ動く様子を見せます。キラキラした目で水を見守る0歳児がなんとも可愛く愛おしいです。

そこに手を差し伸べることができるのであれば、水の量を変えたり、水の動き方を変えたり・・・。
その時に保育士も一緒に表情や声を変えたりなどして、水の面白さ、楽しさを感じられるように関わっています。

1歳児

桶やプールに水を溜めて、玩具を使った遊びをします。人気のおもちゃがジョウロ・バケツ・計量カップやコップなど、自分で水を動かせるものです。自分で水を溜めたり捨てたり、片方の手で持っているコップに移動させたり、大きなバケツの中に小さなコップで一生懸命水を溜めたり。1つのコップと1人の子どもで1つのストーリーがうまれるような遊びの展開ができるように保育士は工夫しています。

「ここのバケツがいっぱいになったら、次はひとまわり大きいこのバケツに入れてみようか!」「1人じゃ大変だからお友達の〇〇ちゃんを呼んでみよう!」とお友達との関わり、一緒に遊ぶ楽しさも伝えながら、遊びをどんどん発展させていきます。発展してきたところで、動物のフィギアや、ショベルカーなど持ってきて「僕たちも手伝うよ〜!」と物体で台詞を入れてあげると、子どもも真似をしたり、保育士の言葉に興味を持って聞いてくれます。

1歳児以降から“水に触れる“だけではなく、“水を利用しながら遊びを発展させていく“ことにも重点を置き、楽しんで参加できるように取り組んでいます。

2歳児

2歳児クラスになると、ワニのポーズをしてプールの中を歩き回ったり、プールサイドに座り、足で水をバタバタさせてみたり、体を使った遊びを取り入れていきます。「先生に水をかけちゃえ〜!」なんていうと喜んでかけてくれます。

色に興味が出てくる年齢でもあるので、色水遊びをすると大盛り上がり。ジュース屋さんごっこなどのごっこ遊びに発展します。石鹸で泡を作って、洗濯ごっこも楽しんで行っています。2歳児の頃には顔に水がかかると不快に感じ泣いてしまう子と、どんどん水に飛び込んでいく子と、水との関わり方に性格がはっきり分かれてきます。ご家庭でもその子に合った楽しい遊びを提案し、絶対に無理はさせないことが大切です。

水遊びの注意点

水遊びをするにあたり、保育園で気をつけていることをお伝えします。ご家庭でも同様に注意することで安全に楽しく水遊びができますよ。

誤飲

まず、誤飲に注意しましょう。遊びに夢中になりすぎておもちゃや水を飲んでしまうことがあります。必ず大人が近くで見守り、怪我や誤飲がないよう注意して見守ってください。

水温

乳児期は大人と比べ、体温調節がうまくできない子も多いため、水道水をそのまま使うのではなく、お湯を足すなどして温度調節をしましょう。28度〜30度の水温で、ややぬるいくらいがベストです。お風呂に近い温度(40度)だとのぼせてしまう可能性があるので注意しましょう。

水量や環境

水量は大人の手首の高さ以下。後ろ向きに倒れ、仰向けになった時に溺れない高さです。溺れる時はうつ伏せのイメージですが、仰向けでも溺れます。大人の手首の高さでも子どもは溺れる可能性があるということを知っておくといいですね。

環境作りも大切です。水遊びはとても滑りやすく、1、2歳児の歩行が安定し、走れるようになってきた子が駆け出して転んでしまうと頭を打つ恐れがあります。プールの下にやわらかいマットを引いたり、プールから出た後も滑らないように周りに大判のタオルを敷き、転倒防止をしましょう。

時間

お昼寝をする子どもであれば、水遊びのベストタイムは10時00分〜10時30分ほどです。その後11時ごろに昼食を食べ、12時に自然と眠たくなる体つくりをすることができます。

水遊びは子どもにとって成長を促すとっても大切な遊びの1つです。保育園での水遊びが始まる前に一度ご家庭で水遊びをしてみてあげてください。大好きなパパママとする水遊びはかけがえのない時間となり、楽しい思い出になることでしょう。きっと、園での水遊びも、安心して参加してくれますよ。

SHARE

related article

message