歯科衛生士が伝える~低年齢児の歯みがき〜

歯みがきで落とすべき汚れ〝歯垢〟

〝歯垢〟って聞いたことはありますか?歯垢(しこう)は英語ではプラークと言い、歯と歯の間や、歯ぐきの境目につく白い汚れのことです。歯垢の中には350種類程の細菌がいて、その中にむし歯や歯周病の原因となる菌もいます。歯垢1mgの中には1億から数十億の細菌が住んでいます。歯垢は作られてから時間が経てば経つほど細菌は増殖し、粘着性をもち、歯の表面に強固に付着して簡単には落ちにくくなります。

歯垢が作られにくい環境をつくる

歯垢は時間が経つほど落ちにくくなるので、こまめに口の中をケアすることで歯垢が作られにくい環境を作ることができます。歯磨き粉を使うことで、歯垢が落ちやすくなるだけではなく、歯磨き粉に含まれる成分であるフッ素が細菌の活動を抑制し、歯の質を強くしてくれて虫歯予防には効果的です。

歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯を磨くだけが、口の中を綺麗にする方法ではありません。子どもが歯ブラシを持ってくわえているだけでも、口の中が刺激され唾液の分泌が促されるので、自浄作用を高めてくれます。

パパやママがガーゼや歯みがきシートで拭ってあげたり、1歳半以降の子どもにはキシリトールのタブレットを食べさせたりすることも効果があります。歯みがきを嫌がる場合や出先で歯みがきをするのが難しい場合は試してみてください。

食べたら口の中をケアする習慣を

細菌の餌となるのは食べ物です。大人同様、1日3回食後に歯を磨くことがむし歯予防になります。ただ、3回の食事以外に間食を摂る機会があります。糖分が口の中に入ってくると細菌は特に活発に活動します。何か食べたり、飲んだりした後は簡単で良いので、口の中をケアしてみてください。歯垢をつきにくくすることで、虫歯のリスクを減らすことができます。歯みがきの回数にこだわらず、こまめに口の中をケアする心がけが大事ですね。

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