1歳の誕生日にお餅を背負ってお祝い!「一升餅」ってなに?

一升餅の由来や祝う時期って?地域で呼び方に違いはあるの?

一升のもち米でつくったお餅を赤ちゃんに背負わせて1歳の誕生日をお祝いすることを「一升餅」といいます。名前の由来は「一升」と「一生」をかけ「一生食べ物に困らないように」という意味によるものです。また、一升餅の丸さは「一生円満に過ごせるように」という願いの表れでもあります。

昭和25年頃までは、お正月に皆ひとつずつ年をとる「数え年」が一般的でした。当時は医療面が今のように発達しておらず、栄養状態も良くなかったため年を重ねていけることが喜びでした。その中でも赤ちゃんが無事に1歳を迎えられることは、特別にめでたいこととされていました。お正月ということもあり盛大にお祝いされ、その風習が一升餅として現代に受け継がれています。

一升餅は地域によって違う呼び方もあるようです。北海道地方では一升餅のほかに「誕生餅」、東北地方では「立ったら餅」や「背負い餅」、関東地方では「誕生餅」「力餅」「立ち餅」「背負い餅」、甲信越地方では「誕生祝い」、東海地方では「誕生餅」や「尻餅」、近畿地方では「背負い餅」、中国地方では「初誕生のお祝い」、四国や九州地方では「誕生餅」や「餅踏み」など、県や地域で分類しきれないほど様々な呼び名があるようです。身近にいるおじいちゃん、おばあちゃんや地域の高齢の方などに、一升餅のほかの呼び方を聞いてみるのも良いでしょう。

一升餅は実際にどうやるの?

一升のもち米でつくられた丸いお餅とそれを入れるためのふろしきやリュックなどを準備しておき、「一升餅」を赤ちゃんに背負わせます。重みで赤ちゃんが転んでしまうこともありますので、できるだけ周りにモノが置いてない場所で行います。

1歳の赤ちゃんにとって2kg近いお餅を背負うのは大変なことですので、立てる子もいれば立てない子もいます。立てた場合には「身を立てられる」、立てなくても「家を継いでくれる」、転んだら「厄を落としてくれる」と、どの状態でも良い解釈でとらえ縁起が良いとされます。厄落としを願い、クッションなどを敷いて軽く尻もちをさせることも。また、地域によっては徐々に小さなお餅の数を増やしてわざと歩けなくさせたり、お餅を踏ませたり、抱き着かせたりする方法もあるようです。いずれにしても赤ちゃんがけがをせず、ひどく怖がることがないよう配慮しながら行いましょう。

好みにあわせて選択できる最近の一升餅

伝統行事である一升餅ですが、現代では丸いお餅だけではなくハート型や星型など、見た目もかわいらしいものがあります。また、小分けされたお餅や、すぐに食べられるようなあんこ餅や大福など、縁起ものとして参加者で分けやすいものもあります。最近では一升パンや一升米なども登場し、離乳食に利用すれば赤ちゃんも一緒に食べることができます。いずれも赤ちゃんの名前や誕生日が入れられ、現代風のかわいいふろしきや、赤ちゃんが使えるリュックがセットのものもありますので、大人も楽しく選べるでしょう。家庭の事情や好みにあわせて選択し、赤ちゃんが楽に過ごせるスケジュールで思い出に残るハレの日にしましょう。

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